山 行 報 告
2009/8/1〜4 朝日連峰・三面川泥又川 メンバ:大高ぁ、駒崎、長谷川、加藤、根来、新村  記録:長谷川

さぁ出発! 泥又川下部@ 泥又川下部A へつりか渡渉かどっち? 朝餉の準備
へつりが多くなってきた もうすぐ二俣 西俣ミニゴルジュ@ 西俣ミニゴルジュA ゴルジュの中の小滝
三俣でのねぐら 中俣F1 中俣F2 桝形山を望む もうすぐ夏空だ
【コースタイム】

(8/1):石黒沢出合駐車場(7:30)…支尾根稜線(9:00)…泥又川(10:30)…大明神滝(13:00)…BP(13:30)

(8/2):BP(7:47)…二俣(8:30)(10:20)…水線の沢出合(11:19)…10m直瀑(12:50)…三俣BP(14:30)

(8/3):BP(7:30)…中俣支尾根(11:00)…三俣BP(14:20)

(8/4):BP(6:10)…稜線(8:15)(8:30)…猿田川本流(14:35)…石黒沢駐車場(15:30)

【記 録】

(1日)
 朝日スーパー林道を石黒沢出合まで行く。早速目白アブの襲来だ。これから4日間の長いつき合いが始まる。
 猿田川本流を渡り、小沢を詰めて尾根を乗っ越し泥又川本流に下る。所々に赤布やシュリンゲがある。途中でヒラタケを採取、幸先がよろしい。
 穏やかな流れの泥又川本流をのんびりと歩く、所々で魚影が走る。長い河原歩きに飽きるころ沢はようやっと狭まってくる。ミニゴルジュの中の小滝や滑、瀞をへつりや渡渉で越えていく。大明神滝付近の様子だ。どれが大明神滝か判らないうちに通過してしまった。
 沢は再び穏やかな様相になる。天場を探しながら行く。薪の豊富なところが見つかった。さぁ、夕餉と宴の用意だ。

(2日)
 今日の予定は三俣までなのでのんびり出発。右からの支沢を過ぎ、しばらくで二俣、西と東に分かれて釣りを試みるために大休止。魚影はかなり濃い。
 西俣に入るとすぐに滝があり直登。その上は小滝や滑が穏やかな流れの中に次々と現れる。またもやヒラタケを採取。
 稜線が望めるようになり、しばらくで三俣に到着。ちょっと手前に適地を発見、今日の泊まり場とする。

(3日)
 記録通りではなく、桝形山直下の池に登るべく中俣に入る。
 すぐにF1・2段15mにあたる、上部が少し悪そうだ。Kさんがトップで流水を登る。天気が悪く雨が降ってきた。支沢を分けしばらく登るとF2・10m、Oさんがトップで左の凹角から急な草付きスラブを強引に落ち口にトラバースするが、かなり悪そうだ。Kさんは空身で右から水流沿いを登りザックを引き上げ、後続もそれにならう。
 さらにF3・10mチムニー滝に出合う。直登は無理なので左岸から高捲く。その上もスラブ滝が続いているようで、しばらく高捲きを続けたが下降点が見つからない。正面にはかなり大きなスラブ滝の連続が望める。ここまでかなりの時間を費やしてしまったので、中俣はあきらめて三俣まで戻り、左俣から赤イ沢下降に変更する。
 天候は回復してきた。Sさんの奮闘で流木もたくさん集まった。濡れた薪を気長に燃し、星空が望めるころには盛大な焚火となってくれた。最後の宴にアルコールもほとんど消費し明日に備える。

(4日)
 今日は行動時間が長くなりそうなので、早起きし6時に出発。
 小滝を越えるとすぐに8m滝にあたる。右のルンゼから高捲く。ここからは一気に高度を上げる。加齢と体調不良のHはバテてしまう。正面にスラブを従えた稜線が見える。あの裏側が赤イ沢だ。スラブを避けて二俣を右に入る。最後はガレのルンゼで落石の巣であった。
 ようやく稜線に這い上がる。桝形山が望める。昨日登ろうとした中俣は上部でさらに急峻となり、引き返したのは賢明だったようだ。
 いよいよ赤イ沢下降、急な小沢をどんどん下りる。懸垂4回で奥の二俣。ここにはもう岩魚が生息している。我身を犠牲にして採取した目白アブを流すと岩魚が躍り出て「パクッ」。ブドウ虫を流してもすぐに捕食する貪欲さに改めて敬意を表す。
 長い長い下降が続く、ミニゴルジュが出てくるともうすぐ猿田川のはずだ。
 猿田川で水浴し汗とアブを洗い流す。林道に上がって石黒沢をめざす。

【泥又川山行後記】

(1)
 そもそも泥又川山行を企画したのは、対岸の桝形川の自然湖を見たい衝動にかられたからである。長さ数百メートルのバカでかい湖が沢の上流で満々と濃いブルーの水を湛えているなど、妖しく魅力的ではないか。 しかし、いつ決壊するかわからない沢など、遡行出来ない。ならば、対岸から行くべし。急がば回れである。
 この話には前ふりがあり、昨年の生保内川遡行から話題に上がっていたことではあった。早速メンバー集めが始まった。昨年のメンバーの中、スペシャリストの長谷川・駒崎氏が中心となり、紅一点のバタコ女史と根来 氏を新メンバーに加えて計画がスタートした。 
 今回の印象的なこと。人がいない。メジロアブ・蚊・岩魚の群れ、ブナの森、登れない滝、テント場、ヘビ、寂れた野営場、カエルと道の駅、ヒラタケ、バタコ女史の薪集めかな?皆さんお疲れさまでした。      (O 記)

(2)
 石黒沢対岸の小沢をたどり、道無き尾根を乗り越え、泥又川の清き流れに多くの魚影を見ながら、いよいよ 遡行が始まった。 
 第一夜、第二夜共に現地調達の岩魚と平茸を得、焚き火を囲んでの酒宴に盛り上がった。三日目の尾根越えは深い谷の滝群に行く手を阻まれ、第二夜と同じ幕営地に戻った。疲労し始めた手足を励まし、尾根に抜けると、桝形山を垣間見た。
 赤イ沢をアブの大群を従え、もうあきあきするゴーロを延々と辿り、猿田川の合流点を胸まで浸かって渡渉し、舗装道路に飛び出した時「やっと下界に戻った」という思いと、もうお終いと思う気が交錯した。
 我が家のベットで一夜を明かすと、長くつらい登下行だったけれど、改めて、皆それぞれの持ち味を活かした 忘れえぬ思い出と感じられた。  (K 記)
 
(3)
 泥又川での4日間、本当に楽しかったです。雪稜に入って良かったという思いと、山行が終わってしまった  寂しさをつくづく感じています。Oさん、Hさん、Kさん、Nさん、Kさん、本当に有難うございました。(N 記)